スピードスケートで数々の栄光を手にした小平奈緒さんが、長野でカフェを経営していると聞いて、驚いたのもありますが、現役時代、トップを走りづつけていても奢らず、仲間を大切に思い、応援してくれる人たちへの感謝を忘れない、そんな小平奈緒さんが、あの優しい笑顔で第二の人生を歩む決断をされた事に心から応援したいと思います。平昌オリンピックの時、韓国のイ・サンファ選手をそっと抱きしめ、寄り添う姿が世界中の感動を呼びました。今でも目に焼き付いています。
現役引退から3年、40歳という節目を迎えた彼女が新たに選んだ舞台は、氷上ではなく一杯のコーヒーを届ける小さなカフェでした。2025年8月11日、長野県松本市に「Climbing Coffee」をオープンし、地域に寄り添う新しい日々を歩み始めています。今回は、そのカフェの魅力と、小平さんが見出した「新たな生き方」について深掘りします。
マチをつなぐ山小屋のような居場所
— Nao Kodaira 小平奈緒【公式】🍎 (@Nao_kodaira) August 11, 2025
『 Climbing Coffee 』
無事に初日を終えました。
朝イチの告知だったのにも関わらず、遠方からお越しいただいた皆さま、ありがとうございました⛰️🧑🏻🍳☕️
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小平奈緒さんとは――氷上の頂点から新たな挑戦へ
小平奈緒さんは、2018年平昌オリンピックのスピードスケート500mで金メダルを獲得するなど、日本を代表するスピードスケート選手として活躍してきました。2022年に現役を引退した後も、スケート教室での指導や地域活動など、様々な形で”氷の上”との関わりを続けてきましたが、2025年、その活動の幅をさらに広げる形でカフェ経営という新たな挑戦に踏み出しました。
「Climbing Coffee」ってどんなお店?
場所とコンセプト
Climbing Coffeeは、長野県松本市にある相澤病院に隣接する建物の1階にオープンしました。コンセプトは「マチをつなぐ山小屋のような居場所」。病院を訪れる患者さんやそのご家族、地域の人々が、ふらりと立ち寄れる温かな空間を目指しています。こういったあたりのエピソードは、現役の小平奈緒さんの印象とブレがありませんね。
こだわりのコーヒーと接客
店内では、小平さん自身がカウンターに立ち、豆を挽き、ドリップする姿を見せることも多いといいます。五輪金メダリストという輝かしい肩書きを脇に置き、一人のカフェ店主として来店客と向き合う姿には、飾らない人柄が滲みます。腕力に頼らない所作を新たに身につけながら、丁寧に一杯のコーヒーと向き合う――そんな現役時代のトレーニングにも通じる姿勢が随所に感じられると、訪れた人からも評判です。ドリンクのほか、シフォンケーキなど軽いスイーツも用意されています。
なお、店内は撮影禁止のルールがあり、静かで落ち着いた時間を過ごせる空間づくりが意識されています。
SNS時代にあえて”見せない”選択をするルールがあることは、話題性よりも一人ひとりの静かな時間を優先してもらえるということ。裏を返せば、それだけ干渉されずに過ごせるということでもあるので、私にとってはむしろ嬉しいルールだと感じます。
これは、小平さんの”一人ひとりと向き合いたい”という、控えめで誠実な人柄が反映されているからですね。
なぜカフェを開いたのか――現役時代の哲学とのつながり
小平さんは自身のインスタグラムで、開店後の心境について、毎朝スケートリンクに向かっていた頃のような気持ちで店に向かっていると明かしています。仕込み作業についても現役時代のトレーニングと重ね合わせ、日々の改善と成長を重ねる過程を大切にしていると述べています。
「仕込み=トレーニング」という考え方は、現役時代にストイックに自己と向き合ってきた経験であてこそ生まれた発想なのだと思います。苦しい中にも成長を感じられた瞬間がうれしくて、その積み重ねが心と体を強くしていったのではないでしょうか。精神は、何かに夢中になることでこそ、鍛えられるのだと、小平さんの姿から教えられる気がします。そして、苦しい思いをした後にやってくるちょっとした楽しさは、何倍にも幸せに感じられるものですよね。
開店から見えてきた「新たな生き方」
開店から4カ月が経った2025年12月、小平さんは改めてこの新しい日々への思いを綴っています。病院を窓越しに眺めながら日々を過ごす中で、命を救うことはできなくても、誰かの居場所を守れる人でありたい、そばにいられる人でありたいという思いを語っています。
また、カフェ運営において大切にしている感覚として、気づくこと、想像すること、程よい距離感を保つこと、相手が自分でできることを奪わないことといった姿勢を挙げています。有名人が経営する店としてではなく、地域にしっかり根付いた空間をつくっていきたいという丁寧な決意も表れています。
私は図書館が好きで、ついつい長居してしまうタイプなのですが、カフェだと、お店に申し訳なくて、なかなか長居することができずにいます。でも、最初から「居場所」であることをコンセプトに揚げてくれているお店なら、遠慮なく腰を据えられる気がします。
40歳という節目に――読者へのメッセージ
金メダリストという輝かしいキャリアを持ちながら、それに頼ることなく、一から地域に根を張ろうとする小平さんの姿勢は、アスリートに限らず、人生の転機を迎える多くの人にとって参考になるのではないでしょうか。
40歳という年齢は、これまでのキャリアを土台にしながらも、新しい一歩を踏み出せる、踏み出したいという気持ちに駆られる年代でもあります。
私の経験から言うと、40歳前後というのは、仕事や家事、育児がほぼルーチンワークとして生活に組み込まれ、良くも悪くも「安定」してくる時期だと感じています。裏を返せば、その安定があるからこそ、少し周りを見回す余裕が生まれ、「何かを始めたい」「やりたいことを見つけたい」という気持ちに向き合いやすい時期でもあるのかもしれません。小平さんの新しい一歩は、まさにそんな節目にいる人たちの背中を押してくれるように思います。
まとめ
「Climbing Coffee」は、長野県松本市・相澤病院の隣という、地域の暮らしに寄り添う場所に生まれたカフェです。小平奈緒さんが40歳を迎えて選んだこの新しい挑戦は、単なる引退後のセカンドキャリアという枠を超え、「誰かの居場所を守る」という新たな価値観に基づいた生き方の実践といえるでしょう。氷上から降りて、180°違う人生を歩みだした小平さんの姿には、素直に尊敬の気持ちが湧きます。目標に向かって進んでいくその姿から、私も勇気をもらいました。
参考・出典



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