夏の甘味「しるこセーキ」に込められた恋物語 夢二が愛した思い出の味とは

夏の暑さに食べたくなる「ひんやり」甘味。そのルーツは恋人との思い出だった

暑い日が続くと、つい冷たいスイーツに手が伸びますよね。

アイスクリームやかき氷もいいですが、最近テレビで紹介されている「しるこセーキ」という少し変わった夏の甘味をご存じでしょうか。

私がこの存在を知ったのは、2025年にNHK Eテレの人気番組「グレーテルのかまど」を見たことがきっかけでした。

番組では、大正ロマンを代表する画家・詩人の竹久夢二と、恋人・彦乃(ひこの)との切ない恋、そして二人が一緒に味わった「しるこセーキ」が紹介されていました。

そこには、恋人との何気ない時間や思い出を閉じ込めたような、どこか懐かしい味わいがありました。

今回は、番組で紹介された内容をもとに、「しるこセーキ」とはどんなお菓子なのか、竹久夢二との関係、そして現代でも楽しめる夏の甘味としての魅力をご紹介します。

ちなみに、2026年6月29日(月)に再放送されます!お楽しみに。


「グレーテルのかまど」番組で紹介された「しるこセーキ」とは

NHK Eテレ「グレーテルのかまど」は、一つのお菓子をテーマに、その誕生秘話や歴史、人物との関わりを紹介する人気番組です。

このしるこセーキが取り上げられたのは、2025年7月7日。竹久夢二が恋人・彦乃と食べた思い出のお菓子「しるこセーキ」。

この時は、七夕バージョンにヘンゼル(瀬戸康史)が挑戦しました。とても美しい仕上がりです。

こしあんを使てシャーベット状にしたものだそうですが、そのこしあんとミルクの風味が合わさった、口当たりのいい優しい甘さで、シャリシャリ食感が気持ちよさそうです。

当時は「セーキ(製氷・シェイク由来ともいわれる)」という呼び名が使われ、「しるこセーキ」と表記されていました。

冷たくて口当たりが良く、夏でも食べやすいことから、今でいうパフェやプリン、ババロアのような存在だったのかもしれません。


夢二が恋人と食べた「しるこケーキ」の思い出

竹久夢二といえば、美人画で有名な芸術家として知られています。

しかし、その人生は恋多き一方で、決して順風満帆ではありませんでした。

番組で紹介されていたのが、恋人・彦乃とのエピソードです。

二人は岡山で一緒に過ごし、その頃に訪れた洋菓子店で「しるこセーキ」を味わったと伝えられています。京都・東山の二年坂にあるそのお店は、甘味処「かさぎ屋」さんです。大正3年創業だそうです。

そこで、華やかな恋愛というより、静かで穏やかな時間。

だからこそ、そのひと皿の甘味が、夢二の心に深く残ったのでしょう。

恋人と食べたスイーツの味は、年月が過ぎても忘れられない。

そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。

私も学生時代に喫茶店で食べたプリンやクリームソーダをこの記事を書いていて思い出しました。

料理やお菓子は味だけではなく、「誰と食べたか」も一緒に記憶されるものだと改めて感じました。


夏の暑さを忘れさせる「ひんやり」夏の甘味

現代では、冷たいスイーツといえばアイスクリームやゼリー、かき氷が定番です。

しかし、大正時代は氷そのものがまだ高級品でした。

そんな時代に冷たい「しるこセーキ」は、まさに特別なごちそうだったのでしょう。

小豆の優しい甘さとミルクのコク。

そこへ冷たさが加わることで、暑さを忘れさせてくれる贅沢なデザートになります。

番組で紹介されていたレシピを見ると、現代でも家庭で再現できそうな材料が多く、ぜひ一度作ってみたいと思いました。

暑い夏だからこそ、昔の人たちが楽しんだ「ひんやり甘味」を味わってみるのも素敵な時間になりそうです。

夢二が愛した「しるこセーキ」は今も心を動かす

竹久夢二は、美人画だけでなく、詩やデザインなど幅広い分野で活躍した芸術家です。

その作品からは華やかな印象を受けますが、私生活では恋愛や別れを何度も経験し、繊細な感情を作品へ映し出してきました。

だからこそ、恋人・彦乃と味わった「しるこセーキ」が、単なる甘いデザートではなく、人生の一場面を彩る大切な記憶として残ったのかもしれません。

何十年経っても「あのとき食べた味」を思い出せることがあります。

それは味覚だけでなく、その場の空気や雰囲気、相手の笑顔まで一緒に記憶されているからでしょう。

「食べ物は思い出になる。」

今回の番組を見て、そんな当たり前だけれど忘れがちなことを改めて感じました。

現代でも再現できる「夏の甘味」として楽しみたい

「しるこセーキ」は特別なお店へ行かなければ食べられないお菓子ではありません。

番組では家庭でも再現しやすいレシピが紹介され、小豆や牛乳、生クリーム、卵など、比較的身近な材料で作ることができます。

もちろん本格的に再現するのも楽しいですが、現代風に少しアレンジしてみるのも面白そうです。

例えば、

冷やし時間を長めにしてさらに「ひんやり」

暑い夏なら、しっかり冷やして食べると口当たりがさらに良くなります。

冷蔵庫から取り出した瞬間のひんやり感は、まさに夏にぴったりです。

抹茶やきな粉を添えて和風アレンジ

小豆との相性が良い抹茶やきな粉を加えると、より和菓子らしい風味になります。

甘さも少し控えめになり、大人向けのデザートとして楽しめそうです。

コーヒーや紅茶とも相性抜群

「お汁粉」という名前から日本茶を想像しますが、ミルクを使ったやさしい甘さなので、コーヒーや紅茶ともよく合います。

午後のティータイムにもぴったりな一品だと感じました。

私が「グレーテルのかまど」を見て感じたこと

私は「グレーテルのかまど」が好きで、見逃したときは、NHKONEで見ることがあります。

この番組の魅力は、お菓子の作り方ももちろん参考になりますが、それだけではなく、その一皿の向こう側にある歴史や人間ドラマを丁寧に紹介してくれるところです。

今回も最初は「珍しいスイーツだな」と思って見始めましたが、最後には夢二と彦乃の物語に引き込まれていました。

もし単にレシピだけを紹介する番組だったら、ここまで印象には残らなかったでしょう。

「この人はどんな思いで食べたのだろう。」

そんな想像をさせてくれるのが、「グレーテルのかまど」の魅力なのだと思います。

最近はレシピ動画が数分で見られる時代ですが、背景にあるストーリーまで知ることで、お菓子の味わいも深くなると感じました。

まとめ

夏になると、どうしても冷たいスイーツばかりに目が向きます。

しかし、「しるこセーキ」は単なる夏の甘味ではありません。

竹久夢二と恋人・彦乃がともに味わった時間、その記憶を今へ伝えてくれる特別なお菓子です。

「グレーテルのかまど」をきっかけに、このデザートを知った人も多いのではないでしょうか。

私自身も番組を見るまでは名前すら知りませんでしたが、その背景を知ったことで、一度食べてみたいという気持ちが強くなりました。

食べ物には、お腹を満たすだけではない力があります。

誰と過ごしたか、どんな季節だったか、そのときの気持ちまで記憶に残してくれるものです。

今年の夏は、アイスやかき氷だけではなく、大正時代から愛されてきた「しるこケーキ」を味わいながら、夢二が見ていた景色に少しだけ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


参考・情報源

・NHK Eテレ「グレーテルのかまど」番組公式サイト(竹久夢二のしるこセーキ)
・辻調理師専門学校「グレーテルのスタジオから」(番組監修・レシピ解説)
・竹久夢二美術館(夢二の生涯・作品紹介)

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